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自給自足限定ストーリー:フルムーン王国のクリスマス(?)

마야마얌 2021. 12. 24. 03:01

※2-9エンディング 「恋するライバル」 以降の時点
※ゲーム主人公 =/=魔法ランプジーナ

一年の終わりを記念して、今日に限ってひときわ賑わうシンドバッドの宴。
物語が盛りだくさんのシンドバッドの家には、いつも各地のお客さんが集まってきて不思議な話を並べ立てるが、先日上陸した外国商船のお客さんまで加わり、今日はその屋敷の回廊がさらに賑わっている。

ジーナは、いつものようにシンドバッドに調子を合わせながら、彼が泥酔していないか確かめており、そばには、プンジを手にしたライトが、楽士になりすまして宴会場の片隅に座っている。
シンドバッドとキャラバンみんなはもうこの意地悪な魔人のことを知っているけど、だからといってどこにでも「俺がジニーよ」 出回るわけにはいかないので、見る目が多い所で若干のごまかしは仕方ない。

山海珍味とよく醸したヤシ酒を楽しみながら、忘れそうになると奇異なプンジの音が雰囲気を盛り上げ、宴会は次第にピークを迎える。
生まれつきの語り手であるシンドバッドがまた異国の話を始めると、彼を取り囲んでいる聴衆たちは耳を傾けて静かになる。


「ジーナ、クリスマスって知ってるかい? 皆様、北王国のこの特別な伝統についてお聞かせしましょうか
顔が特に白い北王国の商人の群れが贈り物用の独特な香料と絹、まぶしい宝石を捜し、今頃よく訪れるという。
買っていった貴重な材料は一年中青い「針の葉」の木のお飾りとなり、また愛する家族や恋人へのサプライズプレゼントに変わるらしい。
小さな願いと共に枕元に靴下をかけとくと、三日月のかかった冬の夜中 ー
赤服で変な帽子をかぶった、巨大で太ったジニーが飛ぶ馬車に乗ってプレゼントを配るという。

プレゼントの話が出ると、さっきからライトを横目で見ていたジーナが、目を回しながら彼の耳に向かって小さくささやく。
「知り合いのジニーは 他人にプレゼントをあげたりはしないのに…海向こうのジニーは本当に優しそう。
「ジーナ、それは俺に聞けという話?
「そんなはずがないわ。 楽士さんがジニーとどんな関係があるのよ。
ジーナがライトだけ見えるように小さく舌を出し、息巻く彼の顔を後にしてシンドバッドの話に再び集中する。

「北王国のクリスマスには雪が降るんだって。 我が王国の首都にも雨がたまに降るんじゃない?
でも雪は雨よりもっと冷たく、白くて、またポロポロしてるんだ!」

ほろ酔い機嫌のシンドバッドが、去年の航海で雪原に行った話を並べ立て始める。
北西の雪山には毎日雪が降り、危ないほど厳しい寒風が吹き付けているが、
その果ての人里離れた場所には、雪の結晶が燦然と輝く氷の洞窟があり、一度見た人はその美しさを忘れることができないという。

太陽の光が一年中降り注ぎ、雨さえも何ヶ月も待ってやっと降るフルムーン王国で雪を実際に見た人はほとんどいなかった。
数回抜き出した絹糸よりも、小鳥の産毛よりも軽く柔らかいが、当たった肌が抉るほど白く冷たい、雪!
見知らぬこの神の傑作の話でジーナの目がきらきら輝く...

「ライト、魔法で雪を降るのもできる?
宴会が終わって席を片づけていたら、背後につっと飛んでくる一言でぎくりとするライト。
「えへん、当たり前だろう! ランプの魔人を見くびるなー
平気を装って後ろを振り向いてみると、ついジーナの鹿のようきらきらとした目にぶつかり合ってしまう。
「雪がどんな形してるのかどうしても気になって。 一度だけ見せてよ!
「ふん、それは駄目だ。
「なぜ?」
「忘れたの?むやみにランプの魔法使わないように、と言ったのはジーナ、お前さ
宝石がもとの場所に戻ってきたおかげで、ライトはどんな願いでも祈ることができたが、技術と科学を愛するフルムーン王国の市民たちに混乱を与えないよう、本当に必要な時でなければランプは使わないと、ジーナと約束してた。
「ちょっとだけ雪を降らせたといって、そんなに大変ではないでしょう。
「勝手に破るんだったら、約束する意味がないじゃない。 俺も本当に、切実に、 本気でお前の願いを叶えたいけどさー
「自分で食べたいものは魔法でよく作って食べるくせに、」
...とにかくダメだ...!
あえて目を避けるライトにジーナは少し口を尖らせては、二度言わず席を立つ ー
ライトの聞こえなさそうな叫び声を後ろにしたまま。
「言っておくけど、絶対に俺が雪が何だかわからないわけじゃないんだ。」

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宴会が終わった翌朝、意外にもシンドバッドのキャラバンが日中からにぎわう。
王室の徽章をつけたラクダ数匹が邸の前庭に入って座った ー 背中には珍しい異国の品物をいっぱい積んだまま。
意外な騒ぎに戸惑うライトを置いてジーナは物の整理に熱心だ。
「えっ、これ一体何だい?」
「さっきの『クリスマスプレゼント』を買いに来た北王国の商人群れが、一昨日王宮を訪れてお返しをいっぱい残していったそう。
カヒールがクリスマスの話を聞いて、いくつかをプレゼントとしてここにも送りたいって。
ジーナとシンドバッドのことを思いやるカヒールの普段の性格を思えば不思議でもないが、ライトは何故か彼の好意が好ましくない。
「ふん、こんなものは魔法でいくらでも作れるんだ!
「無遠慮に言わないでよ、ライト。 魔法でいくら似たようなものを作っても、プレゼントに込められた人の心までは作れないでしょう。」
それでさらにむしゃくしゃとなった彼が虚勢を張り始める。
「つまり、俺がお前のために、もっともっと特別な贈り物を考えといたというものさ。
「本当?それ一体何でしょう〜?」
....
「私には必要なものも、欲しいものもないのに。 この意地っ張りランプのジニーさんに 何をもらったらいいかなぁ?
突然の問い返しに啞のようになったライトの目の前でジーナは、茶目っ気たっぷりの笑みを浮かべた。
あ、あるよ。雪を降らせてもらったらいいじゃん!

椰子の木陰の下に一人で座ったライトの後ろ姿が何となく哀れだ。
何でもやりこなすランプの魔人と大口を叩いてはいるが、見知らぬ何かを作り出すのは容易なことではない。
白くて...ふわふわした...雪を降らせ!
彼が話し終わる前に、空中から大量の小麦粉が降りかかる。
細かい粉が四方に飛び散り、小麦粉の山に埋もれたライトが咳払いをしながらやっと抜け出てくる。
「チッ、ならば今度は雨みたいにじめじめして…または冷たい雪を降らせ!」
今度は小さな氷雨が頭の上にどさどさと降ってきたため、ライトが頭を抱えて痛がっている間に底は水浸しになる。

「じゃ雪でなく、 他の何かにしようか?」
だが、さっきの期待満々のまなざしがライトの頭を満たし、どうしても振り切れない。
「ああ、偉大なランプの魔神様!こんなに美しい雪を降らしてくれるなんて、素晴らしいよ! やっぱりライトだけ!
「ちくしょう、ここでやめるわけにもいかない···どうしよう。」

デブのシンドバッドのところに行って、雪原の冒険をもっと聞いて見ようか。 きっと浮かれた彼が一日中話続けるだろう
でもおしゃべり大好きのシンドバッドなら、ライトが何か始める前ジーナに全部話してしまうに違いない。
カヒールに王室の歴史書を借りて見ようか。 雪についてもっと詳しく書いてるんじゃないかな?
いや、しばらく悩んでたライトがぐいぐい首を横に振る。
偉大なランプのジニーが、こんなことでまた本きち
王子の手を借りるものか。
彼がジーナのために用意した素敵なプレゼントを思い出すと、さらにカヒールに助けてもらうのが嫌になる。


いに決心したのか、立ち上がった彼が飛行魔法の呪文を唱え始める。
「自分で調べるしかなさそうな。」

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「まぁ、魔人も風邪ひくなんて···!
もう二日もひどい熱で寝込んでいるライトに、ジーナは不満をぶちまけている。
ここ数日間全然見えなく、また昨日からはひどい風邪ひいて現れては、もう私のベッドまで占領して…!」
「ジーナ、病気の人に小言ばっかり言うつもり?」
「いつも腹ぺこで、たまには病気になって、魔人とも人間とも一体何かの違うのよー
おかげでプレゼントどころか、扱うべき仕事ばかりが増えたため、すねた気配をあえて隠そうともしないジーナ。
それでも、この我がままな患者さんのためにぽっぽと湯気立つレンズ豆のスープを渡すのは忘れない。
「ふん、ライトに何か期待した私の方がバカなの。
「ジーナ、いい加減にしろよ! 俺が何のために今...!
言いさした彼があわてて自分の口を遮り、咳するふりをして言葉尻を濁す。
「ケホケホ!……ああ、このままじゃ俺死んじゃうよ。
「大げさ!」
さっき焼いてくれたお菓子もう一つ食べたら、よくなるかもしれないし...
子供のように愚図るライトを見てため息をつきながらも、優しいジーナは、先ほど作ったお菓子を持って来ようと席を立つ。

夜通し病気だったライトがしばらく目を覚ましたとき、すでに一片の月が空にかかっていた。
体を起こすと、額から生乾きのタオルがぽとりと落ちる。
振り向くと、ベッドの枕元でうつ伏せに寝ているジーナの横、何度も濡らしておいたかわからない数枚のタオルと、水がめなどが散らばっている。
一晩中、額のおしぼりを取り替えたのだろうか。

頼り所のないのため暖かい家が欲しい、という願いを祈ってた。
それでできた孤児院の面倒を見ながら、シンドバッドのキャラバンまで管理するジーナの寝顔には疲れ気味がありありと見えるが
望み通りに皆と幸せを分かち合う彼女の頬は、活気に満ちている。
いびきは初めて出会った時と同じだが、今は猫の音のように安らかで、愛らしいのはなぜだろう。
....
彼女の顔に降ろした小鬢を整えるライトの目に複雑な感情が掠める。

ライトはぐっすり寝ているジーナを抱き上げ、ベッドに寝かせた後、被せていた毛布で彼女の体をぐるっと巻いてくれる。
それからしばらく月明かりに映った寝顔をじっと眺めては、静かにランプに戻ってく。

北王国の商船がクリスマスプレゼントを積んで本国に帰る。どんな些細な物でも、この季節には家族や愛する人々の心を温める特別なプレゼントとなるだろう。
ランプの中で数日間休んだライトは少し体調がよくなったようだ。そっと出てきて孤児院の庭に行ってみると、子どもたちが走り回り、笑い声が四方を満たしている。
見たところ、ただいまジーナが数日前に入ってきた王室の贈り物を子どもたちに配ったばかりだ。

「おかえり、体の調子はもう大丈夫?
「ジーナ、一緒に行って欲しいところがあるんだ。
「またサボるつもりはないでしょう。今週は、孤児院やキャラバンの仕事だけでも十分忙しいからー」

目を怒らしたジーナは気にせず、ライトが指を鳴らすと、あっという間にジーナの服が厚い砂漠の伝統服に変わった。
「暖かく着込まないと後悔するよ、
「ライト!」
ジーナが何か言い出す前に、見慣れたブレイサーが腰を巻きつけ、怪しい煙りとともに二人が突然姿を消す。

ジーナが気をつけて目を覚ますと、涼しくてさわやかな風が顔を覆う。
どこを見てもまばゆいばかりの真っ白な世界。
巨大な水晶のような氷柱、妖精のようにひらひらと漂う雪の結晶、
真珠の粉をまいたように輝く衾雪、洞窟の向こうから広がる神秘的な青い光。
シンドバッドが言ってたその氷の洞窟だ。


うわあ....
雪を触っても見て、ふーっと吹いても見て、そっと足跡も作ってみるうちに、彼女の口から嘆声がもれる。
ただのイタズラだったのに、本当に雪を見せてくれるとは思わなかった..
「ここを探すために、雪原をどれだけ迷ったのか知ってる?
得意顔をしたライトが魔法を使って、周りの空気を少し温める ー おかげで寒さの中でも二人は手足を自由に動かすことができる。
「最初は雪というものだけを見て戻ろうとしたけど、一面雪のここがもっときれいだったんだ。
さぁ、どうだ、魔法作りより100倍も素敵だろう?
意気揚々としてるライトとは違い、きっとひたすら喜ぶと思ってたジーナは意外と心苦しい表情だ。
「ここを探しに行ってから風邪ひいて来たのよ、
....
「これからはそんなんやめてよ、私.... ずっと気に掛かるじゃん。
口をとがらすジーナを見たライトは、ただテヘペロしながら後ろ髪を掻くだけだ。
「···特別なプレゼントをあげると約束したから、それを守っただけだよ。

急にジーナが両腕の間に抱き込まれ、ライトは危うく滑って転ぶところだった。
「私も用意したものがあるよ、」
ジーナの懐から、ふわふわの小さな縫いぐるみが出てくる。
毛糸で作ったたてがみがゆらゆらし、小さな目と鼻は黒いボタンでぽつんとしている。 尻尾には青いリボンがついている。

「…これ、ライオン…」
「私が作った人形が欲しいって言ったよね、」
あぁ、この前の騒ぎ。壊れたラクダ人形を間にしたアブーとの幼稚な口げんかをずっと覚えてたらしい。
「あなたが周りに無かった数日間作り出した。
私は宝物を手に入れたり、魔法を使ったりはできない...でもさ、気に入ってるかしら。」
まさに縫い目があちこち飛び出た、子供のおもちゃに過ぎない不器用な出来栄えの人形だ。
しかし黄金の洞窟に隠された宝物の山を全部寄越すとしても、この可愛らしいライオンの掛け替えにはならないだろう。
この瞬間、彼の青い瞳が氷の洞窟を埋め尽くした光よりもさらに輝く。

「うん、 最高だよ。」

柔らかい雪の結晶が頬をくすぐる。
ほの白い息が顔を暖める。
何となく唇にあったかい何かが触れた感じがする。